秋が来た
秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる
これは、平安前期の歌集、古今和歌集に収録されている藤原敏行の和歌である。私この歌が好きで、毎年夏の終わりになると私の心に浮かんで来たものだが、今回調べてみるまで、いつの時代の誰の歌かも知らなかった。しかし今回調べてみて、日本人はこんなに古くからこういう感性を持っていたのだと感じてうれしくなった。
この歌は、現代の暦でいえば8月末頃の歌だろう。今は季節がもう少し進んでいるようで、夏の太平洋高気圧の勢力が衰え、不安定な天気が続いている。空に雲が多くなり、天気がめまぐるしく変わって、毎日のように5分か10分くらいの短時間の雨が降っている。
たいていは道も濡れない程度の小雨だが、時には激しい夕立のように降って、傘を持っていない下校途中の中学生や高校生が、全身びしょぬれになって走っていくこともある。夏のなごりか、時には稲妻が走り雷鳴がとどろいて、恐怖を感じることもある。
先日、湖岸道路を走っていた時のことだ。車が何百匹ものトンボの群れに突入してしまった。何十匹ものトンボが次々に車のフロントガラスに迫ってくる。もしトンボがフロントガラスにぶつかれば死んでしまうだろうし、フロントガラスも汚れるに違いない。慌ててブレーキを踏んだが、幸い一匹もフロントガラスにぶつかったトンボはなく、車は2,3秒でトンボの群れを抜けた。トンボがうまく衝突を避けたのだろうか、それとも車が生んだ気流に流されたのだろうか、いずれにせよ良かったと胸をなで下ろしたのだった。
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