オフレコ破り批判
私はコミュニティーFM局から放送するラジオ番組を作っていて、その中にインタビュー番組もある。その取材中にインタビュー相手が「これはオフレコだが」と前置きして話しをする場合もあるが、その場合、私は相手の立場を尊重してその発言は放送しない。
ところが、最近オフレコで話した内容が暴露されて大問題になり、発言した人が罷免されるという事件があった。総理大臣の秘書官だった荒井さんという人が、同姓婚の問題に関わって、LGBTの人が「隣に住んでいたら嫌だ」「見るのも嫌だ」と語ったのである。オフレコという確認でしゃべったにもかかわらずこれが新聞に載り、総理大臣は「言語道断だ」と、荒井氏を罷免した。
この経過に私はファシズムにもつながりかねない危険を感じる。ある人がどのような性的指向を持とうとそれは本人の自由であり、LGBTが社会的な不利益をこうむってはならない。だから、LGBTへの差別を禁じるのは当然だ。しかし、LGBTへの嫌悪感を持つ人がいたとしても、それは個人の感性の問題であって、それを理由として社会的に抹殺されてはならないのだ。
内閣を編成するに当たって、すべてのことについて同じ感性を持つ人間だけを集めるか、基本政策で一致できれば感性の多様性を認めるかは、それぞれの総理大臣が判断すればよい。だから内閣の方針と異なる感性を持つ荒井氏を総理大臣が罷免したこと自体は不当なことではないと思う。問題はオフレコという確認を破ってでも時流にそぐわない人を袋だたきにすることが許されるというマスコミや社会一般の感覚である。こういうことが広まれば、ものの考え方だけではなく感じ方までを一色に染めようとするファシズム社会になりかねない。
2月の記事
「平年」ということば 「根明け」の理由 孔子の述懐 私の夫婦同姓論
「解散命令」とは何か データが出てこない オフレコ破り批判 タモリの言語感覚
なし崩しの軍事力増強論 ワクチンの有効性 弓を引くヘラクレス 月冴えて
異次元の少子化対策 私は女性差別者? 小さくても幸せな国 笑いを欲しがる人
バカなドライバー 一色主義 自己責任 素直なボク ふしぎな夢を見た
特別軍事作戦と報償 逸失利益という差別 なぜ「タイ人男女」?


