悲しい性(さが)
私はテレビをほとんど見ないのだが、それは私がたいていの番組に不愉快さを感じるからだ。中でも特に腹立たしいのは偉そうにする人が出てくる番組で、先日その典型的な番組を見た。見るに堪えないので短時間でチャンネルを変えてしまったのでタイトルは分からないが、新聞のテレビ欄では「ジョブチューン」となっていたので、それが番組名かもしれない。
この番組はローソンのスイーツ部門の開発担当者が自信作の商品を提供し、超一流のスイーツ職人と称する人がそれを試食して、合格か不合格かを判定するという内容だった。まず担当者がその商品のコンセプトを説明し、続いてジャッジと称するスイーツ職人がそれを試食する。そのとき、試食者は笑顔を浮かべたり顔をしかめたりするのだが、カメラは丹念にそれを追う。開発担当者はそれに一喜一憂しながら祈るような面持ちで見つめているのだ。そこで「この商品は合格か、不合格か、果たして!」とナレーターの絶叫が入って、5人のジャッジが合・否の札を上げるのだ。
私はジャッジに向かって「アンタは何様だ」と言いたい。他人が心血を注いで開発した商品をたった一度の試食で合格とか不合格とか判定できるほどアンタは偉いのか。そしてこういう番組を作って平気で放送している制作担当者の人権感覚のなさにも腹が立つ。さらに言えば、その番組を喜んでみている視聴者も同罪だ。
こういう番組が成立するのは、誰もが「一流職人」という権威に弱いからだろう。商品開発担当者は席を蹴ってもいいはずなのに、おとなしくジャッジの判定を受け入れるのは、テレビ局がそれを要求しているからだろう。それは権威に弱い日本人の性(サガ)かもしれない。
8羽の小鳥 OPEN UP JAPAN マイクロ気流 雲の王国
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