反核のリアリズム(6)
広島、長崎でそれぞれ平和宣言が発表されたが、どちらも「核抑止」論を否定し、核廃絶に向けた国家的な取り組みの必要性を強調している。特に広島の平和宣言では「世界中の指導者は、核抑止論が破綻しているということを直視し…」と書いて、核抑止理論が破綻していると明確に述べているのである。私はこれらふたつの平和宣言がともに市長の名前で出されていること、すなわち、両市の市民の総意として出されていることに留意すべきだと思っている。
しかし、そうは言っても、プーチンが核による威嚇を行うだけで実際には核を使用しないのは、核抑止が効果を発揮しているからだという見方をする人もいるだろう。でもそうだろうか。前にも書いたが、仮にプーチンがウクライナで核を使っても、NATO側は戦争の拡大を恐れて核による報復はしないだろう。プーチンはもともと核を使うつもりなどなかったか、核を使うことによって全世界から孤立することを恐れているのである。
そうなのだ。核を持たない国に対して核攻撃をすれば、世界から孤立する。その事実は、世界から核をなくす道筋を指し示している。現在でもすでに世界の100カ国が核兵器禁止条約に加入している。その数を少しずつ増やしていけばいいのだ。さしあたり日本もアメリカの核の傘から出て、核兵器禁止条約に加入し、参加国を増やしていくのだ。こうして核保有国以外がすべてこの条約に参加すれば、核保有国は非保有国を攻撃できなくなる。核保有国が核廃絶条約を結ぶなどということは期待薄だが、それは核廃絶の第一歩になり得るだろう。
それでもどこかの国の狂った指導者が核を使ったら? そのときは、腹をくくって核攻撃を受けるしかない。
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