OPEN UP JAPAN
最近私は高速道路を走る機会が少なくなったが、10年ほど前、高速道路でOPEN UP JAPANと大書された観光バスをよく見かけた。車体の側面に海に沈む夕陽のような赤い太陽と、OPEN UP JAPANという赤い文字が描かれていたのだ。私はこの迫力のあるデザインが好きだった。しかも、たびたびそのバスに出会ったので、これはよほど大手の有名なバス会社のバスだろうと思い込んでいたのである。
ところが、何年か後、彦根市内で私の車の前を走っているそのバスを見た。すると、小さな字で「彦根観光バス」と書いてあったのだ。何と彦根のバス会社のバスだったのである。高速道路で追い越したり追い越されたりする時はそんな小さな字まで見ている余裕はなかったので、気づかなかったのだろう。彦根の会社のバスならば、彦根に発着するのだから、この付近の高速道路でよく見るのも当然だったと納得した次第である。それが彦根の会社のバスだと知って私はその会社に親近感を感じた。いや、誇らしく感じたと言ってもいいほどだ。
よく似た経験がある。これも10年ほど前、少し離れた学校へ時間講師として勤めていた頃のことだ。私の通勤路に緑色の文字で「お庭のこと、全部」と書いた造園業者の看板が立っていて、私はこの看板のセンスが好きだったのだ。普通なら「造園作業全般」などと書くところだろうが、そういう無味乾燥なことばではなく、親しみの持てる表現で、「お庭のこと、全部」と書いているのだ。「お庭」も「こと」も「全部」もよかった。私は昔コピーライターになりたいと思ったこともあるくらいだから、広告のコピーはいつも気になる。最近その道は通らないが、今もこの看板はあるのだろうか。
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| 彦根観光バス(インターネットより) |
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