雲の王国
立ち上がる 雲の王国 サルスベリ
空気中の水蒸気が冷やされると微少な水滴になり、雲を作る。そのとき熱を放出するので、その空気は暖められて膨張し、周囲の空気より軽くなって空気塊として上昇する。ところが上空ほど気温が低いのでその空気は冷やされてまた雲を生じ、そのとき暖められた空気はさらに上昇して雲を作る。その繰り返しによって、上へ上へと雲が成長していくのが積乱雲だ。
白く輝きながら夏空に勢いよく立ち上がっていく積乱雲には圧倒的な存在感があって、そこに地上からは隔絶した世界が存在するように感じることがある。そんなことを私が感じるようになったのは、もう何十年も前、私がまだ子育てをしていた頃、こどもたちが「ドラエモンとのび太の雲の王国」というアニメを見ているのを、横から見たのがきっかけだった。「雲の王国」ということばが強く印象に残ったことを覚えている。
あの真っ白な雲の上に別の世界があると想像してみると楽しい。そういう想像は、冒頭に書いたような科学的な認識とは正反対だが、そんなことはかまわない。私の中では、両方が同時に存在している。
ドラエモンのアニメでは雲の王国は地上世界と対立する存在で、雲の王国に行ったドラエモンとのび太は地上世界を救うために、自分達が地上へ墜落することを覚悟の上で「雲消しスプレー」を噴射する。そのラストシーンが感動的だったのだ。もちろんこれはこれでいいが、逆に地上世界と雲の王国が平和に交流する物語があってもいいではないかと思った。そこで、そういう物語が作れないかと考えてみたが、想像力に乏しい私には無理だった。それでも私は雲の王国を夢見ている。 (冒頭の俳句のサルスベリは赤いサルスベリです)
8羽の小鳥 OPEN UP JAPAN マイクロ気流 雲の王国 反核のリアリズム(1) 反核のリアリズム(2) 反核のリアリズム(3) |
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