軽の国
私はよくスーパーへ買い物に行くのだが、そんな時駐車場に並んでいる車を見ると、ほとんどが軽自動車である。国土も狭く道も入り組んだ日本で生活する分には取り回しの容易な軽自動車が便利だからであろう。中には排気量の大きな3ナンバーの車もあるが、車体の大きさはほとんど軽自動車と変わらない車が多くなった。私自身も2年ほど前に小型車から軽自動車に乗り換えたが、高速道路で追い越しをする場合など、ごく特別な場合以外は自分の車に不満を感じたことはない。
思えば30年ほど前まで、車は大きさと外観を競ってセダンやハードトップが主流だった。その当時から私はそれに批判的で、軽自動車の源流とも言えそうなツーボックス車に乗っていた。私の周囲には豪華な車に憧れる人々が多く、私の中にも多少そういう感覚があったのは事実だが、その後、軽自動車が増えてくるにつれて、私の方が正しかったと自信を持つようになった。
30年前と言えば、バブルが弾けて不良債権問題などを抱え、日本が停滞期に入った頃だ。それまでは日本の自動車産業や半導体産業が世界を席巻し、国民は世界第2位の経済大国などと浮かれていた。しかし、たかが1億の人口で資源にも乏しい小国がそんなに大きな経済を維持できるはずがない。経済力に関する限り、日本は近い将来、諸外国に追い抜かされていくだろうと考えて、私は日本が「小さくても幸せな国」になることを目指すべきだと言っていた。幸せかどうかはともかく、小さな国になるという予想は当たっていたと思う。
日本は「軽の国」なのだ。軽自動車がこの国に定着したのと同じように、国家も身の丈にあった存在であり続ければそれでよいと思う。
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