まるで負け惜しみ
北朝鮮が偵察衛星を打ち上げ、衛星は周回軌道に入ったようだ。今年になってから2回失敗しており、3回目でようやく成功させたことになる。このことに関して、岸田総理大臣が「たとえ衛星の打ち上げでも、弾道ミサイル技術を用いた活動は国連決議で禁止されている」と、北朝鮮を非難した。しかし、この解釈は正しいだろうか。まず第1に、国連決議とは言っても、これは北朝鮮自身が関与しない中で採択された安保理事会の決議で、これは北朝鮮が了解したものではない。それは過去の「人声私語」でも指摘したとおりだ。
そして第2に、決議にはいくつかあるが、例えば2006年の安保理決議1695号では、「弾道ミサイルに関連するすべての活動の停止」を要求しているだけで、「弾道ミサイル技術を用いた活動」の停止を求めているわけではないから、岸田首相の発言は決議の拡大解釈である。人工衛星を打ち上げようとすれば精密な誘導技術が必要でそれが弾道ミサイルの技術と共通するのは自明の理である。もしそれがダメだというのなら、日本や韓国、アメリカを含む世界のすべての人工衛星打ち上げ国が非難されてしかるべきだ。
だからこそ、過去に北朝鮮が人工衛星を打ち上げたときも、日本政府は「人工衛星と称する弾道ミサイルの実験」だとして北朝鮮を非難したのである。「人工衛星と称する」と付け加えてきたのは、「人工衛星は禁止されていない」という理解が前提にあったからだろう。しかし、今回の場合は人工衛星の打ち上げだということは誰にも否定できなかったから、まるで負け惜しみのようにこのような拡大解釈をひねり出したのである。このような言い分は国際正義にも国際法にも反することだ。
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