おばあちゃんは102才
びわ湖畔の特養(特別養護施設)に入っている私の母が、先日102才の誕生日を迎えた。そこで私は妹や弟とともに、そのお祝いに特養に母を訪ねた。ただ、残念ながら認知症を患っていて、私たちが訪ねても誰かが分からなくなっている。「僕が誰か分かる?」と聞いてもただニコニコ笑っているだけで誰かは分からないようだ。「息子の正義やで」と言っても、ウンウンとうなずきはするものの、分かったようには思えない。2、3年前までは私が妻や子どもと訪ねれば、私の妻や子どものことは分からなくても、私だけは分かったのだから、だいぶ認知症が進んだようだ。
それにしても、私は10年ほど前まで母が102才まで生きられるとは思っていなかった。一生苦労し、粗食に甘んじてきた母のことだ、体にはガタが来ているに違いない。平均寿命くらいまで生きられればいいと思っていたのだが、特養の穏やかな環境が幸いしたのではないかと思う。百才を超えたときには母の出身の村で最年長になったと聞いたし、今回102才を迎えて、現在の特養の入所者の中でも最年長になったという。あとは記録を更新するばかりだ。もう十年は生きて欲しいと思う。
ただ、母を特養に入れていることには後ろめたさもある。認知症がここまで進んだのは穏やかな特養では日常的な刺激がなく、頭を使う必要もないからではないかと思うからだ。その意味では家で生活する方がよいのには違いないけれど、家で介護していればそれが行き届かず、102才まで生きられたとは思えない。今年の敬老の日に、母は長生きしたと施設長から表彰してもらったそうだ。そのエピソードからも、いい施設だと思う。だからもう少しここでお世話になりたい。
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