するわけじゃないが…
以前「自慢するわけじゃないですが」とか「言い訳するわけじゃありませんが」という言い方をよく聞いた。「自慢するわけじゃありませんが」に続くのは、自慢話である。だから「自慢するわけじゃないですが」というのは、「自慢するのはよくないと思いますが、自慢話をしますと……」という意味だということは誰もが理解していたのだろう。最近はそういう言い方を聞かないが、それは社会の中でそういう物言いが少なくなってきたからだろうか、私が定年退職して社会との関わり合いが少なくなったからだろうか、それはわからない。
私がこういう物言いを思い出したのは、私が制作しているラジオ番組の関係で昭和23年のヒット曲「星の流れに」を聞いたときに、歌詞に「すさむ心で言うんじゃないが…」という一節があったからである。この曲がヒットしたのは終戦から3年後で、まだ古い社会のしがらみや発想がこの国を支配していたのだろう。この曲の歌詞からは、娼婦であるこの女性の心がすさんでいるとは思えないのだが、社会一般には売春婦=心のすさんだ女という偏見が定着していたから、それに妥協してこういう表現になったのだろう。
「~するわけじゃない」という言い方は、だれもが身分や立場に応じた振る舞いをすべきであるという強い規範意識が社会の中にある結果として生まれてきた言い方ではないかと、私は感じている。しかしそんな規範など振り捨てて、誰もが自由な立場で「自慢します」と言って自慢し、相手が誰であろうと言い訳などしないですむような社会になって欲しいと、私は思っている。だから「~するわけじゃない」という表現は死語になって欲しいと思っているので、そうだとすればうれしいことだ。
便乗値上げの推奨者 新聞社の生き残る道 重苦しい気分 ふしぎな気分
疑問だらけ おばあちゃんは102才 カラスたち シャンプーボトル
結婚生活42年(4) 結婚生活42年(5) 軽の国 特派員報告
反社会的番組 塗り壁女 … するわけじゃないが 昭和20年代の歌
0 件のコメント:
コメントを投稿