2023/02/08

                                       誇らしい夢(1) 


 ふと気が付いてみると、私は奥行きが4~5メートルで幅と高さが2メートルほどの空間に閉じこめられていた。どうやら、地中に掘られた穴であるらしく、床や壁はほぼ平らなのだが、かこう岩か何かでできているようで、全面がごつごつした結晶で覆われていた。手で触れてみると床も壁も冷たく堅く、びくともしなかった。

 なぜ自分はこんなところにいるのだろうと考えたのだが、それ以前のことは全く思い出せなかった。そして、そのうちにふと重要なことに気づいた。ここは閉鎖空間だ。この中にある空気には限りがある。その空気を呼吸していれば、やがて酸素濃度が下がって窒息するに違いない。だからそれまでに脱出しなければならない。

 そこで私は注意深く壁を調べ始めた。どこかに出入り口があるはずだ、出入り口がなかったとしても、岩を積み上げたときの境界があるはずだ、それが見つかれば何とか脱出できるかもしれないと思ったのである。ところが、どんなに詳しく見ても岩石はひとつながりでどこにもつなぎ目はない。私は絶望的になった。

 ところが、そのとき私はふと気づいた。出口がないということは入り口もないということで、そんなところに私が入れるはずはない。それに、地中の穴ならば真っ暗なはずなのに、この空間は妙に明るいのである。こんなことは絶対にあり得ない。だとしたら、これは現実ではなく、夢に違いない。夢だとしたら、それから覚めた時には現実世界にもどっているに違いない。

 そこで私はその床に横になった。そして仰向けになっているうちにいつしか眠り込んでしまった。そして……その先はみなさんもお分かりだろう。私は自分の家のベッドの上で目覚めたのである。

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