2023/02/17

              タモリの言語感覚


 NHKに「ブラタモリ」という番組がある。その中で私はタモリの発言に違和感を感じた。それはタモリが前橋市の臨江閣という建物を訪ねたシーンである。この建物は明治天皇を迎えるために土地の有力者がお金を出しあって建てたのだそうだが、その立派さに関わってタモリが「天皇が来るんだからさあ」と言い、さらに建物の窓から見た庭園のきれいさに感動して「明治天皇もこの景色を見てたんですねえ」と言ったのである。

 普通、私たちは天皇や皇室の人々のことを言う場合、敬語を使う。敬語を使えば「来る」ではなく「おいでになる」「いらっしゃる」となり、「見る」ではなく「ご覧になる」となるはずなのだ。そういう言い方がテレビなどでは普通になっているように思う。でも、タモリは「来る」「見る」と言ったのである。なぜタモリはこのような言い方をしたのかはわからない。彼に何らかの信念があって意図的にこういう言い方をしたのか、彼が普段からそういう言い方をしていて、それが無意識的に出たのかは分からないということだ。

 天皇に敬語を使うべきかどうかについてはさまざまな考え方があるだろう。私自身は日本語に敬語表現が存在することや、その前提として身分の上下という感覚がこの社会にあること自体が問題だと思っている。さらに敬語で語ることは、相手を祭り上げてその自由を制約し、結果的に相手の人権を奪うことにもつながりかねない。これを機会に敬語について考えてみたいものだ。

 それにしても、撮影現場にいたディレクターや番組の編集に携わった人はどう考えていたのだろうか。タモリの発言に気が付かなかったのか、タモリを尊重してそのまま残したのか、興味あるところだ。

  1月の記事  3月の記事  人声私語23   人声私語ダイジェスト

2月の記事

特殊詐欺(1)   特殊詐欺(2)   キラキラネーム   怖い夢

誇らしい夢(1)  誇らしい夢(2)  エッチな夢   夢日記

「平年」ということば  「根明け」の理由  孔子の述懐  私の夫婦同姓論

「解散命令」とは何か  データが出てこない  オフレコ破り批判  タモリの言語感覚

なし崩しの軍事力増強論  ワクチンの有効性  弓を引くヘラクレス  月冴えて

異次元の少子化対策  私は女性差別者?  小さくても幸せな国  笑いを欲しがる人

こどもたちの声        味オンチの理由        ベンチカット        身構えないで 

バカなドライバー        一色主義        自己責任        素直なボク  ふしぎな夢を見た

特別軍事作戦と報償        逸失利益という差別        なぜ「タイ人男女」?   


0 件のコメント:

コメントを投稿

                                 12月の記事 あげる・してあげる  …  今や、「あげる」は謙譲語ではない    オランダの冬     …  オランダの飢餓で生じた肥満体質は遺伝したという ほうれい線      …  女性たちよ、ほうれい線を気に...