2023/02/08

                                        キラキラネーム 


 私は10年前に教師をやめたが、今も教師をしている知人から、最近はこどもたちの名前が読みにくくなっていると聞いた。漢字を本来の読み方とは違う風に読む、いわゆるキラキラネームが増えてきたからである。学校の名簿は以前は漢字表記だったのだが、最近では読み仮名を付記する名簿も作られるようになったらしい。

 たとえば、未来と書いて「ミク」、宇宙と書いて「ソラ」と読ませるという類である。この程度のことなら私が教師をしている頃からあったし、芸能界でも使われて市民権を得つつあるから許容範囲かと思うが、最近のキラキラネームはもっと極端になっているらしい。でも、その具体例を挙げるのは差し控えるべきだろう。

 30年ほど前、自分のこどもに「悪魔(アクマ)」という名前を付けて届け出ようとした親に対して、市役所の担当者がそれを拒否したところ、その親が「命名という親の権利に行政が介入するのは違法だ」と反発するという事件があった。それに対して私は「人声私語」で、越権行為だという批判を覚悟してでも、こどものことを考えて届け出を拒否した担当者は立派だ、私はこの担当者を支持する、と書いた。キラキラネームに関しても同じような感想を持っている。

 いちばん大事なことは、こどもがその名前に誇りを持てるかどうか、その名前によって差別されないかどうかということだ。たいていの場合、キラキラネームをつける親に悪意はないのだろうが、名前は親が一時の思いつきや気まぐれでつけていいというものではない。こどもが一定の年齢に達し、具体的な不利益があった場合は自分の意志で改名できるということだが、そのときではすでに遅い。こどもはもう傷ついているからである。

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