一色主義
最近、新型コロナを感染症の2類から5類に変更することが決まって、日本国内でのコロナパニックが少し落ち着く兆しが見えている。しかし、ダイヤモンドプリンセス号の集団感染に始まったここ3年余りの日本国内でのコロナ騒ぎは異常だったように思う。1年前、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってからはテレビのニュースショーもそちらの方に重点が移っているが、それまでは連日連夜コロナの話題で埋め尽くされていた。それも、客観的な視点からコロナを扱うのではなく、「三密を避けましょう」などという、まるでコロナ大本営発表のようなキャンペーン報道に終始していたのである。
コロナ騒ぎが始まって以来、私は「騒ぎすぎだ」と考えてきた。私にはコロナがそれほど深刻な病気だとは思えなかったからだ。どんなに騒いだところで感染の拡大は避けられないだろうが、そんな中で必要以上に騒げば、私たちの生活インフラが麻痺しかねないし、経済活動が停滞して物資の欠乏も起こるだろう。さらに、企業の倒産や失業が増えて生活の糧を失う人も出る。
それなのに、なぜこれほど騒ぐのか、私には不思議でならなかった。新型コロナが中国の武漢で発生したことから、コロナの脅威を誇張して中国叩きの材料にしようという陰謀なのではないかとさえ思ったほどだ。でも、多分そうではなかったのだろう。自分も周りの人々と同じでなければ落ち着けないという日本人の心情、社会的な権威に従順なことを良しとし、それに従わない人は許さないという日本社会の風潮からだろう。こういう風潮を武村正義さんは一色主義と呼んでいた。コロナ騒ぎの三年間、私は戦前にタイムスリップしたのではないかと思うほどの息苦しさを感じていたのである。
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