2023/03/01

               素直なボク 


 バイトルというアルバイト紹介サイトのCMに「はないちもんめ」をまねた遊びが登場する。10人余りの女の子たちが二組に分かれて向かい合い、同じ組のメンバー同士が手をつないで「時給を上げよう、そうしよう」と歌いながら前進したり後退したりするのである。

 「はないちもんめ」では「あの子が欲しい、この子が欲しい、相談しよう、そうしよう」と歌われるところが、「時給を上げよう、そうしよう」になっているのだ。そして、「はないちもんめ」では「決まった」で終わるところが、CMでは「上がった」となる。

 私は最初このCMの「時給を上げよう、そうしよう」という意味が分からなかった。このアプリを通じてバイトに申し込むと、このサイトが時給アップの交渉をしてくれるのだろうか、とも思った。でも、まさか。応募者の一人一人にそんなことをできるわけがない。それなら、このサイトで紹介されているバイトは、直接相手先に申し込むより、あるいは他のサイトを通じるより、あらかじめ10円なり20円なり高額の時給を提示しているということだろうか。でも、このサイトを開いてみても、そんなことは何も書いていない。……。ではどうして時給を上げるのだろうか????

 そう考えて、ふと気づいた。そうか、このサイトではさまざまなバイト先を紹介しているから、その中から時給の高いところを探してそこに応募しろということなんだな、と。ところが、ボクが素直すぎるから「時給を上げよう、そうしよう」と言われると、バイトルが時給を上げる手伝いをしてくれるんだと勝手に思い込んだだけなのだ。素直なことはボクのウリなのだけれど、余り素直だとうまく騙されることにもなりかねないんだね。

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