誇らしい夢(2)
ふと気が付いてみると、私は何本もの引き込み線がある鉄道ターミナルのプラットホームにいた。昔、梅田の阪急デパートの1階に、京都線、宝塚線、神戸線などが乗り入れており、急行、準急、普通列車などの何本ものホームがあった、ちょうどそのようなところである。そこには私の他にも何千人、何万人の人がいたのだが、みんな無表情で黙りこくっていた。
そんなところへ電車が入ってきて、ドアが開いた。すると、周りの人が黙々とその電車に乗り込み始めたのである。私も周りの人に推されるようにして、その電車に乗り込んだ。そして満員になると、電車は出発した。走る電車の中でも、乗客は何も話さず、電車の中は不気味な沈黙が支配していた。
その中で私はこの電車の行く先には死が待っているのではないかと感じた。たぶん、アウシュビッツの強制収容所に向かう列車のイメージからの連想だろう。それなら、私は何とかしてこの電車から脱出しなければならない。そこで私は、他の乗客を押し分けながら列車と列車の連結部分に出た。そこには昔の国鉄線などにあったような、そこから飛び降りることも可能なデッキがあった。 しかし、列車は相当な速度で走っている。こんなところから飛び降りて無事でいられるかどうかは分からなかった。でもそうする以外に死を逃れる術はない。私は少し列車のスピードが落ちた瞬間にタイミングを計って飛び降りた。そして盛り土で少し高くなっていた線路脇の斜面を転がり落ちていった。……
私の夢はそこで終わる。これはあくまでも夢だ。でも、私は自分を守るために勇気をふるうことができたと、目覚めた私は誇らしい気分を感じていたのだった。
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