2023/10/31

                        結婚生活42年(1)


 私たち夫婦は結婚して42年になる。私と妻は同じ職場に勤める同僚だったので、お互いに相手のことは知っていたが、恋愛関係にあったわけではない。30才になって1人で暮らすことに淋しさを感じた私が、その女性に、結婚をと申し入れたのだ。それは唐突な申し入れだったが、さいわい彼女はその場でOKしてくれた。

 私たちが結婚するというのは職場の同僚にとっても意外なことだったようだ。後で聞いた話では、同僚の間では、私たちの結婚が3ヵ月もつかどうか賭けをしようという話があったらしい。「3ヵ月もつか」なら賭けは成立しても、「1年もつか」ということになると賭けは成立しなかっただろうという。私も妻も自己主張の強い人間なので、2人がうまくいくとは思えなかったのだ。

 私が結婚相手に求めた条件は二つだった。そのひとつは、私は誰かに取り入ったり、周囲に迎合したりするのが嫌いな人間だったので、そういう生き方をある程度理解してくれる人ということだった。

 もう一つは自分の意志を持っていて、それを主張できる人ということだった。当時は結婚したら男性が主導権を取るのが普通だったけれど、私は「あなたについていきます」というタイプの従順な女性とは結婚したくなかった。私は相手の気持ちを推し量るのが苦手なので、もし私が主導権をとることになったら相手は心の中に不満をため込んでいくことになり、その結果、結婚生活は破綻するだろう、その責任はすべて私が負わねばならないと思ったからだ。私が結婚相手に求めた条件は、普段から夫婦げんかができる人ということだったのだ。

 その私の望み通り、そして職場の同僚の予想通り、私たちの結婚生活はすさまじい夫婦げんかから始まった。

いずれまた会いましょう        コインランドリーの怪        母のこと(4)    

 文化講座の講師        コップ一杯の水          よかった!           時空を越えて           

 結婚生活42年(1)        結婚生活42年(2)      結婚生活42年(3)    

星が見えない          インタビューで困ること    ヒガンバナの異常      ケムシのこと 

甘くはないね          再び「解散命令」について  フリースクール        今日のショック    

性別適合手術             民族主義に反対          「待つ」ということ 

人声私語23トップへ  人声私語ダイジェストへ     

0 件のコメント:

コメントを投稿

                                 12月の記事 あげる・してあげる  …  今や、「あげる」は謙譲語ではない    オランダの冬     …  オランダの飢餓で生じた肥満体質は遺伝したという ほうれい線      …  女性たちよ、ほうれい線を気に...