再び「解散命令」について
以前、旧統一教会に対する解散命令について書いたことがある。宗教団体に対する「解散命令」というのは、宗教法人としての認可・優遇措置を取り消すということだ。行政用語・司法用語としてはそれでいいのかもしれないが、一般に誤解を与えかねないことばだから気安く使うべきではないという趣旨だった。ところが、最近、旧統一教会の調査が進んで政府による裁判所への「解散命令」請求が現実味を帯びるに連れて、再びこのことばがマスコミをにぎわしている。
これが宗教法人の認可取り消しのことだと分かっている人はいいが、「解散命令」が出たら、会員(信者)が宗教的な催しをすることはおろか、会員が集まることや、互いに連絡を取りあうことさえも禁止されるのだと思い込んでいる人が、私の周辺にもいる。もし、政府や司法当局がそのような命令を出すことができるとすれば、それはまるで治安維持法であり、結社や集会の自由を保障した憲法に明確に違反する。私が心配するのはその重大な「解散命令」ということばがこともなげに使われ、その結果、政府がどんな団体に対しても「解散命令」を出す権利を持っているかのような誤解を多くの国民に与えてしまわないかということである。
それでも、こういう懸念を持っている人は少ないらしく、私はテレビニュースでも、ニュースショーでもそのことを指摘する発言を聞いたことがない。それどころか、まるで「解散命令」を出すことが正義であるかのような報道ばかりが目立っているのだ。政治権力はどんな団体にも「解散命令」など出す権利はない。法律から「解散命令」という用語を削除すべきで、当面は「宗教法人の認可取り消し」と言い換えて欲しいと思う。
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