性別適合手術
今回、最高裁の大法廷で性同一性障害特例法の一部が憲法違反であるとの判決が出されたという。この法律では性別を変更するためには「生殖機能がないこと」つまり精巣や卵巣を切除することや、性器が「変更後の性別の性器に似た外観であること」、つまり、男性が女性になるなら陰茎をなくして膣を作る、女性が男性になるならその反対の手術を受けることが条件になっているのだそうだ。それらについて争われたのだが、前者については違憲と判定し、後者については高裁差し戻しとして判断を保留したという。
私はこのニュースを聞くまで、性同一性障害特例法にそんな規定があるとは知らなかった。男性器を女性器のような外観にしたり、女性器を男性器のように変えたりする性別適合手術というのがあることは知っていたが、それは性別の変更を望む人の行き過ぎた願望であり、それを引き受けるのは悪徳医師だろうくらいに考えていたのだ。陰茎を作るためには結腸の一部を切り取って整形し、それを移植したりもするようだが、それはまるでフランケンシュタインを作るような醜悪なことだと考えて、性別適合手術そのものに反対だったのである。
「身体髪膚これを父母より受く。あえて毀損せざるが孝の始めなり」ということばがある。私はこれを深く味わうべきだと思う。父母とか孝とかはともかく、私たちは生物としてまず身体を持って生まれてくる。私たちにとって体は与件、つまり大前提なのだ。精神(心)がそれを望むからといって、安易に作りかえるべきではない。性別の変更を望むならジェンダーとしての性別変更は認めるべきだが、そのために性別適合手術を法的に強制するなどもってのほかだと私は思う。
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