スズメのお宿
我が家の玄関脇の壁際にモッコウバラの樹がある。最初は小さな苗木を植えたのだが、またたく間に大きくなって、2,3年後には屋根の庇に着くまでになった。当然、横幅も奥行きも広がって、こんもりとした大樹のように見えた。4月になると、タンポポのような形で大きさもちょうどそれくらいの黄色い花がいっぱい咲く。
その茂みの中に、4、5年前から2羽のスズメが来るようになった。毎年、10月ごろになると夕方前にやってきて一晩その中で過ごしているらしく、朝、日が昇る頃からチュン、チュンとさえずるのである。家の中にいるとそうでもないけれど、玄関に出るとやかましいくらいで、私が近くまで行くと驚いたように飛び出してくるのだった。そして、しばらく近くの屋根や電線にとまってさえずった後、どこかへ飛んでいくのである。そういうことが、毎年春になるまで続いた。
2羽なので、私はつがいではないか、この茂みに中に巣を作っているて、春になればかわいい赤ちゃんが見られるのではないかと期待した。でもそうではなかったようでいちども子スズメは見たことはなかった。
ところが、去年は秋になってもスズメはやってこなかった。まるで家族のメンバーが欠けたようで寂しく、毎日朝起きるたびに見に行ったものだが、来ている気配はなかった。そこで、ちょうど良い機会だと考えて、11月頃、伸び放題になっていたモッコウバラの枝を思い切って剪定した。これでもう今年はスズメがやってくることはないだろうと、それはスズメへの思いを断ち切るための決断でもあったように思う。
その枝は今、少しずつ伸び始めている。今年こそはスズメたちに再会したいものだ。
| スズメのお宿(モッコウバラの茂み) |
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