世界に一つだけの花
「私はSMAPの『世界に一つだけの花』という曲が好きで、夜眠る時もこの曲をかけています。また、職場でも、時折、この曲を口ずさんでいました。ところが、最近、インターネットでこの曲が大嫌いという人もいることを知りました。そして、それ以来、私がこの曲を口ずさんでいた時、それが嫌だと思いながら聞いていた人もいたのではないかと思うと、人に会うのが怖くなりました。私はどうしたらいいのでしょうか。」
これは、私が最近ある新聞で読んだ二十代の女性の人生相談である。こういう感性は私自身の感覚とは正反対だけれど、確かに、こんなふうに周りの人に迷惑をかけないように、嫌われないようにと、周囲に気を配ってひたすら低姿勢で生きている人がいることは、私も知っている。しかも、そういう人たちはそれを単なる処世術と考えているのではなく、人間なら当然守るべき道徳的な規範だとさえ思い込んでいるのだ。
こんなふうに生きるのでは生きにくいだろう。いや、本人が生きにくいだけではない。これはいわば社会の病理ともいうべきもので、こういう人が増えていけば、権威や権力に従順な全体主義の社会、多数意見の動向次第で左右に大きく揺れる不安定な社会をも招きかねない。
「世界に一つだけの花」の歌詞は説教臭いので、私も嫌いだ。でも、歌の好き嫌いなどは人それぞれだから、嫌いな人がいるからと言ってその歌を否定する必要はない。人生相談を投稿した女性には「嫌いだという人に出会ったら、勇気を出して歌の良さを相手に伝えなさい。そして好きになってもらいなさい。」と言いたい。
要するに、彼女自身も周りから独立した「世界に一つだけの花」だからである。
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