ねえねえ症候群
テレビのニュースやニュースショーを見ていると、外へ派遣されたレポーターが現地から中継するという場面がよくある。たとえば台風が来た時、大雪が降った時の各地の様子や、火事や水害の現場、賑わう繁華街や観光地からの中継などである。
そんな時、私は「こんな中継に何の意味があるのだろう」と感じることが多い。まだ台風が来る前の静かな町の様子を次々に見せられても、何も得るものがないのだ。こんなことに無駄な時間を割くくらいなら、もっと詳しい気象データや予報を伝えて欲しいと思う。
混雑する繁華街からの中継も同じである。でも、繁華街からの中継では、もうひとつ気になることがある。レポーターが「長い行列ができていますねえ」とか「路上で酒を飲んでいる若者もいますねえ」などと、語尾にやたらと「ねえ」という言葉をつけることだ。これは自分が現場で初めてそのことに気が付いたという感じを出したり、視聴者に友達どうしのような親近感を感じさせる効果を狙った言い方だろう。
しかし、レポーターもジャーナリストのひとり、その役割はあくまでも事実を伝えることであるはずだ。それならば、言い切りの表現で伝えればいいのであって「ねえ」は要らない。もちろん、レポーター自身の個人的な感想を言うことは許されるだろうが、それは「ねえ」「ねえ」と視聴者に擦り寄ることではないはずだ。
でも、「ねえ」という言葉が「他人事」のような印象を作り出すこともある。ある時、土砂崩れで家が半壊した現場に派遣されたレポーターが「家が大きく崩れていますねえ」と言った。私は「何のんきなことを言っているのだ」とそのレポーターを殴りたくなった。
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