ある天気予報
けさ、天気予報を見ていて気になることがあった。2、3日前から日本列島を覆っている黄砂に関して、気象予報士が「黄砂は午前中はまだ残るでしょう。そして夕方から徐々に解消してゆく見通しです。」と言ったのだ。普段なら何気なく聞き流すことだろうが、今日は気になったのである。「午前中は残る」ということは、午後には残っていないということのはずだ。それなのに、「夕方から徐々に解消する」というのはどういうことか。言語矛盾ではないかということである。
あえて矛盾なく解釈しようとするならば、「夕方から」の前に「黄砂の影響は」というようなことばが省略されたのだと考えればよい。つまり、大気中の黄砂と、地上に落ちた黄砂の影響を別々に考えるということだ。しかしこれまでの天気予報で、ことさら「黄砂」と「黄砂の影響」を分けて説明しているのを聞いた記憶はない。だから、この解釈には無理があるように思う。
とすれば、気象予報士の言葉はどう理解すればいいのだろうか。たぶん、午前中残るのは確実だが午後のことはよく分からない。でも、残ったとしても夕方以降に解消するのは確かだから、分からないところは言葉を濁しておいた方がよいというような潜在意識があって、それがこのような矛盾した言い方になったのではないかと思う。天気予報の当たり外れ対しては、視聴者からの評価が厳しいので、気象予報士にはこのような曖昧な表現をする習性が身に付いているのかもしれない。
しかし、このようなことは天気予報だけではない。たとえば政治的な内容に関しても、話の前段と後段で矛盾したことが言われている場合がある。私達は一部の言葉に振り回されず、全体を聞き取らなければならない。
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