2023/04/30

                                 カイヅカイブキのふしぎ


 カイヅカイブキという樹がある。よく見かけるのは生け垣として植えているもので、私の家も10年ほど前まで植えてあった。

正常なカイヅカイブキの葉
 その葉は独特の形をしている。太めのタコ糸 を10センチほどの長さに切りそろえて束ねたような形で、私はその滑らかな手触りが好きだった。ところが、時折、この葉が6方向に突出した針状の葉に変わっていることがある。それは見た目にはきれいだが、ついうっかり握ったりすれば悲鳴を上げるほどに痛い。そして、そういう葉はどうやら剪定した枝に生じるようなのである。

 
   針状に変化したカイヅカイブキの葉
 なぜこんなことが起こるのだろう。生物の  形はDNAによって決まっているはずだ。では、DNAに突然変異が起こったのか? それはないだろう。同じ突然変異があちこちで多発することは考えられないからだ。たぶん、カイヅカイブキの祖先がこのような葉をしていたのだろう。ところがいつかの時点でそのDNAの働きの一部を阻害するような覆いができて、糸状の葉っぱになったのではないか。何らかの外的な刺激を受けるとその覆いが外れるて、もとの針状の葉に戻るのではあるまいか。

 そう考えると、枝を剪定した近くで針状の葉が出るのも納得できる。昔イブキは草食動物に食べられないように針状の葉っぱだったのではあるまいか。ところが、そういう動物がいなくなった時、たまたまDNAの一部が覆われて糸状の葉っぱができた。一度糸状になってみると、その方が光合成の効率がいいので糸状の葉っぱが優勢になったのだろう。でも枝を剪定すると外敵が来たと認識し、何らかのストレス物質を生じて、その作用でDNAの覆いが外れて、針状に戻るのではないかと思うのだ。これは私の推測に過ぎないが、どうだろうか。

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