ソメイヨシノのふしぎ
現在、各地に植えられている桜はほとんどがソメイヨシノという種類だが、これは江戸時代の末期、在来の2種類の桜を交配して作られた新種の桜だそうだ。ソメイヨシノにも、一応、小さなサクランボができることもあるが、その種で増えることはできないので、すべてのソメイヨシノは親木の枝を別の種類の桜の台木に接ぎ木して増やしたものだという。だからすべてのソメイヨシノは同じDNAを持つクローンなのだそうである。
ところで、私は以前からソメイヨシノの花盛りを見るたびに不思議に思うことがある。それは、堀端の桜も、川土手の桜も、道ばたの桜もほぼ一斉に咲き、一斉に散るのだが、そのメカニズムがどうなっているのかということだ。桜の樹はほとんどが日当たりの良いところに植えられているが、そうはいっても建物や林の陰になって午前中とか午後には日陰になる場所もあり、気温も微妙に違うはずだ。他にも土壌の水分や養分、冬季の積雪量、木が受ける風の強さなどは場所によってずいぶん違うはずだ。こんなふうに生育環境が異なる桜どうしなのに、この地域の桜はまるで示し合わせたかのように同じ日に咲き始めるのだ。もしかしたら、1日、2日の違いはあるのかもしれないが、私には同じに見える。
インターネットに、それはすべての桜がクローンだからだと書いてあったが、それは違う。もしクローンだから開花日が同じプログラムで決まり、そのプログラムが環境要因によって駆動されるなら、開花日がずれて当然なのである。年によって開花日が1週間くらいは前後し、また、桜前線が南から北へ進むことから、気温などの環境要因が関係しているのは明らかなのだが、同一地域の桜がほぼ一斉に咲き始めるのはなぜだろうか?
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