前期長寿者
私は今、73才。医療保険制度では前期高齢者なのだそうだ。そして2年後、私が75才になると後期高齢者と呼ばれることになる。この後期高齢者ということばが、私は嫌いだ。「もうあなたは後がありません」と言われているみたいだからである。そういう私の感じを何人かに話したところ、ほとんどが私に同意してくれた。
医療行政に携わる立場からすれば、どこかの年令で線引きをしなければならないのだろうし、線引きをすればそれぞれの区分に名前を付けなければならないのは分かる。しかし、なぜ75才から「後期」なのだ? そう呼ぶのはせめて90才からにしてくれよと、言いたいところだ。それにしても、高齢者という区分を作ってそれを前期と後期に分けるという発想はいかにも官僚的ではないか。彼らはこのように呼ばれる人の気持ちを考えたことがあるのだろうか。そもそも人間的な感性を持って行政に携わるべきだという意識があるのだろうか。
私が名付けるとすれば、75才からは「前期長寿者」だ。そして100才を超えれば、ただの「長寿者」と呼べばいい。これを読んでくれた人には、是非とも賛同して欲しいところだ。
私の好きな泉谷しげるの「老人革命の唄」という曲に「ワシら70年も生き続けて、忙しい時の流れにゃ追いつけぬ。誰も救ってくれぬなら、老いた者どうし立ち上がる…目指すは融通の利かぬ厚生省、座り込みはダテじゃない…」という歌詞があるが、あのころ威勢の良かった若者たちはどうなってしまったのか。大きなことは望まなくてもよい。せめて「後期高齢者」を「前期長寿者」と言い換えさせること、そして、医療費を無料にさせることくらいはできないものだろうか。
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