尖閣諸島について
最近、尖閣諸島付近の海域に中国船が入ってくることに抗議したり、中国軍が実力行使したら日米安保条約を発動せよとか、尖閣諸島を巡って勇ましい議論が行われている。しかし、私は尖閣諸島が日本領土だということを前提とした論議には疑問を持っている。
その理由の一つは尖閣諸島の位置である。尖閣諸島は沖縄本島から410km、中国本土から330km、台湾から170kmの位置にある。最も近い石垣島からでも170kmでこれは台湾からの距離と等しい。さらに注意すべきは海底地形だ。沖縄本島から石垣島、与那国島までの島々は水深200mまでの盛り上がった海底地形の上に点在しているが、その大陸側の海は八重山海底地溝と呼ばれ水深が1000m以上ある。その幅は約150kmあって、その先は中国大陸から続く水深200m以下の大陸棚になっている。そしてその先端に尖閣諸島があるのだ。私も日本人の一人として尖閣諸島は日本領だといいたいところだが、地形から見る限り尖閣諸島が中国大陸の一部であることは明らかだ。
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| 尖閣諸島周辺の海底地形(笹川平和財団のHPより) |
かつて鄧小平は、「尖閣問題は我々の子孫が解決を見いだすまで棚上げにしよう」と言った。つまり、日本も中国も自分の領土だと言いながら、どちらも決定的な行動は取らないということだ。これは賢い対処法だった。曖昧なままにしておけば、たとえば日本と中国が協力してこの付近の海底資源を開発することもできただろう。それをぶちこわしたのは東京都知事の石原慎太郎である。彼は尖閣諸島を東京都が購入すると言い出したのだ。それによる混乱を避けるために、政府は尖閣諸島を国有化した。こうなると、中国も黙っていられないのは当然だ。今日の混乱の元凶はそこにあると私は思う。
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