「患者様」ということば
私は5年前に大腿骨骨折、4年前には悪性リンパ腫で、それぞれ1ヶ月ほど入院した。大腿骨の手術をしてくれた先生も、悪性リンパ腫の治療をしてくれた先生も、看護師や理学療法士などのスタッフもたいへん親切で私にとってはいい入院生活だったが、入院中に院内で見聞きした「患者様」ということばには違和感を感じた。
それが「患者さん」ならよかったと思うのだが、「患者様」と「様」を付けることで、病院スタッフとの間に壁を築かれてしまっているように感じたからだ。入院していると、自分の体のこと、病院の待遇のことなど、日常会話の中で気軽に話したいことがたくさんある。ところが「様」をつけて祭り上げられるとそうたやすく話せないような気分にもなるのだ。慇懃無礼ということばがあるが、そんな感じなのだ。
第2に「様」はお店などで使う「お客様」と同じ「様」だから、病院は患者を「客」、つまりは「金儲けの手段・対象」と見ているかのように感じられてしまったからだ。病気を持って病院を訪れる患者は、お店で品物やサービスを買う「客」とは全く違う存在なのに。
ただし、「患者様」ということばは院内の張り紙で見たり院内放送で聞いたりするだけで、私自身がそう呼ばれたわけではない。ただ、「患者」に「様」を付けると上に書いたようなニュアンスも出てくるから、そうすべきではないと感じた。
おそらく、患者の中には病院に理不尽なクレームを付ける人もいて、病院としては患者を尊重しているという姿勢を示すために「様」を使い始めたのだろう。とすれば、その責任は患者側にもあることになるが、「様」で呼ばれて矛を収めるクレーマーはいないだろう。
男と女、雄と雌 二羽の鳥(4) 肉薄か肉迫か 犯罪報道は要らない
鷺の異変 トンビとアドバルーン 「申す」ということば 「指導」ということば
日本語は正しく使うべし 自虐の世代 同性婚反対 袋だたきの好きな国
0 件のコメント:
コメントを投稿