中田ケン子さん
在日ブラジル人のこども達を教育しているサンタナ学園が財政的に窮迫して、運営資金の一部をクラウドファンディングで募っているというニュースをテレビで見た。技能研修生などとして日本で働いているブラジル人のこども達には日本の教育制度が適用されず、以前は親が働きに出ている間は家に残されたままになっていたのだ。たまたま日本へ観光旅行に来た日系ブラジル人の中田ケン子さんがそれを知って、日本に移り住み、私財を投じて設立したのがサンタナ学園である。
私は「この人に会いたい」というラジオ番組のために丸1日、中田さんに密着してインタビュー取材した。まず、朝6時過ぎからマイクロバスを運転してそれぞれの家までこども達を迎えに行く。派遣労働に携わっている人たちは勤務時間が不規則でこどもを学校に送ることができないので、こうして迎えに行かなければ登園できないのだ。20キロほどの道のりを走って、20人ほどの子どもを迎える。これが毎日なのだ。中田さんは決して若くはないが明るく元気で、夕方、子ども達を家に送り届けるまで、学園の中を走り回っていた。
この日、私は子供達の中に入って過ごし、昼ご飯も子ども達と一緒に食べたのだが、子ども達はみんな明るく人なつっこかった。たまたまこの日私の車のバッテリーがあがってしまうという事故があったのだが、そのときすぐに高校生くらいの子がやってきて、私の車を充電してくれた。それが実に手際よく頼もしく思えたものだ。学園のスタッフもみんな親切で明るい人たちだった。こういう学園ができたのは、何よりも中田さんの、誰にも優しい人柄と行動力の結果だったのだろう。世の中にはこんなすごい人もいるのだと実感したのだった。
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