大丈夫です
たとえばあなたがある程度年配の人で、余暇を活用しようと、パートでスーパーかコンビニに勤めたとしよう。レジにいるあなたが、お弁当を買ったお客さんに「お箸をおつけしましょうか?」と聞いた時、お客さんが「大丈夫です」と言えば、それは「要りません」という意味だとあなたは理解できるに違いない。
そのあなたの家へ、一緒にレジを担当する若い子たちが遊びにやってきて、あなたはスイーツなどを出して歓迎したとする。ところが、そのときスイーツが余ってしまった。そこであなたが「余り物だけれど、持って帰りませんか?」と言ったら、若者が「大丈夫で~す」と答えたとしたらどうだろう。あなたは「余り物でもいいから頂きます」という意味なのか、「要りません」という意味なのか、解釈に迷ってしまうのではあるまいか。
この「大丈夫です」という言葉の解釈を巡ってトラブルが起こったという例を、私は最近立て続けに何件か聞いた。若者が「大丈夫です」と言うのは、相手が何かをあげようと言ったり、何かをしてあげようと言ったりした時にそれをやんわりと断る時の言い方なのである。しかし、私の若い頃はそう言い方はなかったので、年配の人には通じないこともあるのだ。
日本人には相手の言うことを拒否するのは悪いことだという感覚がある。まして相手が好意でそう言っている時には、明確にノーと答えることができない。そこで、せめても肯定形である「大丈夫です」という言い方をするのであろう。しかし私はこういうものの言い方には否定的である。周りに気を使いすぎて物事を曖昧にしてしまうのでは、個人の独立性も損なわれるし、本当の意味で理解し合うこともできないように思うのだ。
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