核を無力化しよう
日本は世界で唯一の核被爆国である。だから、日本人は世界で最も核の恐ろしさを知っている国民であり、核の脅威をなくす、あるいは軽減するために世界の先頭に立つべきであると私も考えている。その究極の理想が核の廃絶であることに私も異存はないが、現在の状況の下ではそれは単なる理想論に過ぎず、それにこだわっていては具体的な進展が望めない。そこで、もう少し現実的なアプローチとして、核の存在を認めた上で、それを無力化することを考えるべきではないかと思う。
無力化するというのは核兵器が使えないような状況を作り出すということである。核兵器を持たず核の傘にも入っていないような国を核攻撃すれば世界から非難を浴びるから、その国を核攻撃できなくなる。そこで、世界の各国に核を持たず、核の傘にも入らないように「非核宣言」をさせるのである。もちろん最終的には政府の決定が必要だが、まず私たちが民間レベルで各国の世論に働きかけることを考えるべきだろう。
これは、非現実的だろうか。いや、すでに東南アジアや、ラテンアメリカなどには「非核兵器条約」を結んでいる国がたくさんある。それをまず非核保有国全体に広げるのだ。そして、次にはイギリスやフランスを説得して核兵器を廃棄させ、「非核宣言」させるのである。それでもアメリカや中国、ロシアなどは核を放棄しないだろうが、それはそれでよい。実際上は核が使えないものとなって、無力化されるからである。
しかし日本がアメリカの核の傘に入っていては、そんな主張には何の説得力も生まれない。だから、私たちがまずすべきことは、アメリカの核の傘から出ることだ。アメリカもそれを止めることはできないはずである。
核の傘から出よう 井戸謙一さん(1) 井戸謙一さん(2) 夏近し
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