2023/05/15

                                      戦うということ


 現役の教師だった頃、私は何度か生徒たちに「生きていく上で大切なのは、戦うということだ。そして、戦う以上、勝たなければならない。」と言った。個人的に話している時にもそう言ったし、教室でたくさんの生徒を前にしてそう言ったこともある。

 そんな時、生徒は怪訝な顔をすることが多かった。「学校の先生がそんなことを言ってもいいんですか。」というのだ。そんな場合、私は「戦うと言っても、その目的は相手を傷つけたり倒したりすることではなく、自分の思いを実現させることだ。」と答えるのが常だった。そして「先生だからこそそう言うのだ」と付け加えた。

 私自身、教師として仕事をする上でヤクザにクレームをつけに行ったり、校長や県教育委員に論争を挑んだりしたこともあった。また、自分の子どものことで私に謝罪を要求してきた父親が、「自分は県会議員や教育委員と親しい。新聞記者や弁護士も知っている。お前をクビにしてやる。」と捨てぜりふを吐いたこともあったが、私は妥協しなかった。仕事の性格上、そういうできごとを他人に話したことはないが、事情を知っている誰かから漏れたのだろうか、私は生徒たちから「武勇伝」というニックネームを貰っていたこともある。

 最近、学校では周りと面倒を起こさないようにしようとする風潮があるが、私は反対だ。生徒の保護者はさまざまな要求を学校に突きつけてくる。そのこと自体は正当なことだが、もしその要求が不当なら、教師や学校は断固戦わなければならない。その場合、最も大事なことは、どうでもよいと妥協しようとする自分、怖がって逃げようとする自分との戦いである。「最大の敵は自分自身だ」というのも、生徒に対する私の口癖だった。

核の傘から出よう        井戸謙一さん(1)   井戸謙一さん(2)       夏近し        

核を無力化しよう          個性的ということ        好みの問題         水撒けば       

絶妙な数字        大河ドラマ       大萩の集団移転       俳句の解釈      

命名権・ナンダソレ?    カタツムリの家    どうでもよい話      なるほど、納得    

フェイクニュース         感動の航海者      今関信子さん         今年の夏野菜     

私のおもちゃ箱      私の自慢話(1)      数百万年後の地球      戦うということ    

台湾の独立こそ     辻正人さん      

人声私語23トップへ  人声私語ダイジェストへ


0 件のコメント:

コメントを投稿

                                 12月の記事 あげる・してあげる  …  今や、「あげる」は謙譲語ではない    オランダの冬     …  オランダの飢餓で生じた肥満体質は遺伝したという ほうれい線      …  女性たちよ、ほうれい線を気に...