なるほど、納得
私は以前、小学校の校舎内のこどもたちが窓辺に寄ってきて、校舎の外にいる私に手を振りあったという記事を書いた(「こどもたち」)。こうして手を振ってもらったことは、私にはうれしいことだったが、なぜあんなに親しげに手を振ってきたのかはずっと疑問だった。ところが、後でこの話を妻にしたら、妻は「鶴瓶と間違えたんじゃない?」と言った。
鶴瓶というのは、NHKで「家族に乾杯」という番組でホストを務めている笑福亭鶴瓶という落語家である。この番組では、鶴瓶があちこちを歩いて土地の人に親しげに声をかけ、声をかけられた土地の人たちも親しく鶴瓶に対応する。私がその鶴瓶と年格好や体形、ラフな服装、そして頭の禿げ具合などがよく似ているので、小学校のこどもたちは鶴瓶が自分の学校に来たと勘違いしたのではないかというのだ。なるほど、そう言われたらそうかもしれないと、私は納得した。
単に納得しただけではなく、うれしかった。私はたいていのお笑いタレントは好きになれないが、飄々としていて自分を飾ったり他人に迎合したりすることがなく、いつも笑顔を絶やさない鶴瓶が好きだ。妻もそうだという。その鶴瓶と間違われたのなら光栄なことだ。こういう感情は、誰でも持っているものだろう。
あのとき、私は鶴瓶のようにこどもたちの中に入っていったわけではない。だから、もし仮にこどもたちの間に入ったとしても、鶴瓶のように親しくこどもたちと交われるかどうかは分からない。でも、今はそれができそうな気がするからふしぎだ。それでも、こどもたちは本物の鶴瓶でなくてがっかりするだろうが、それは別の問題だ。こどもたちよ、鶴瓶でなくてごめんね。
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