好みの問題
私も古い人間だということだろうか、車で走っていて、たまに車高の低いセダンタイプの車を見かけると、きれいだなと見ほれることがある。低い車高では乗っていても窮屈だろうし、幅の広い車体では最少回転半径が大きく取り回しにも不便だろうから私自身が乗りたいとは思わなけれど、見た目にはきれいなのだ。
時代とともに、車のデザインも大きく変わった。おおむね車高が高くなり、あまりカッコイイとは言えない車が多くなっている。そんな中で、私が特に嫌いなのはミニバンタイプの車でフロントグリルの部分がクロームメッキした金属棒を縦横に組み合わせたようなデザインの車だ。ミニバンタイプの車は値段が高く、この種の車は所有者のステータスシンボルにもなっているようだが、クロームメッキされた金属棒はせり出した肋骨のように見えることもあるし、フロントグリルが前に突き出している様は、お腹の出た不格好な中年男を連想させる。私自身は、どんなに安くても、たとえお金を積まれてもこんな車には乗りたくない。
とはいえ、どんな車に乗るかは個人の好みの問題だ。私は今は軽自動車に乗っているが、昔は4ナンバーのバンだった。その方が荷物が積めて便利だし、自動車税も安かったからだ。車だけではない。たとえば、腕時計でもそうだ。何百万円もするブランドものの腕時計がある一方、百円ショップには百円の腕時計がある。私自身はホームセンターで買った1480円の腕時計をしている。その腕時計も最近は表面のメッキがはがれて金属の地肌が現れてきた。人によっては、みすぼらしいと思うのだろうが、機能本位で見かけは気にしないというのが私のプライドなのである。
核の傘から出よう 井戸謙一さん(1) 井戸謙一さん(2) 夏近し
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