安倍もと首相の責任(2)
安倍元首相の責任(1)で書いたように、北朝鮮拉致被害者の救出交渉をぶちこわしたのは安倍元首相だった。ところが彼はそれを反省するどころか、逆に拉致被害者に同情する国民感情を煽って対北朝鮮強硬論を主導し、それを自分への支持につなげたのである。彼らは「制裁」「制裁」と叫んでいたが、国交もない北朝鮮に対しては有効な制裁手段がないことを彼も知っていたはずだ。
もうひとつ彼が犯した重大な過ちは、北朝鮮の核爆弾やミサイルの開発を加速させたことである。小泉訪朝団が北朝鮮へ行くことができたのは、それに先立つ1990年代、北朝鮮に独自の核開発を思いとどまることと引き替えに日本、韓国、アメリカが協力して北朝鮮に原発の軽水炉を供与しようというKEDOの取り組みがあったからである。その試み自体は成功しなかったが、その交渉過程で交渉のチャンネルが形成されていてそれが生きたからであろう。
そしてこの頃、北朝鮮は経済的に追い込まれていた。だからこのとき、当初の予定通り北朝鮮に大規模な経済援助を約束していれば、北朝鮮は日本を頼るようになり、両国の関係は強化されて、拉致問題の解決も容易になっただろうし、KEDOを復活させて北朝鮮の核開発を送らせることができた可能性もある。仮にそれがうまくいかなかったとしても、日本側は多様な制裁手段を手に入れることで、交渉を有利に進められただろう。
それだけではない。このとき北朝鮮と国交正常化まで関係を進めておけば、日本は経済的な優位性を利用して北朝鮮への影響力を確立できたはずだ。そうすれば中国やロシアと北朝鮮の間にくさびを打ち込むことができただろう。その千載一遇のチャンスを逃したのである。
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