思い出のアルバム
少し離れたところに住む私の孫がこども園を卒園したということで、卒園式の動画が送られてきた。その中では、特に卒園証書をもらいに行くときの緊張した姿がほほえましかった。まるでロボットのように体をガチガチにして歩き、証書をもらって形通りの礼をし、そしてあらかじめ決められた遠回りの経路を通って自分の席に戻る。その緊張ぶりは、まるで数十年前の卒園式を見ているかのようだった。私はその動画のお礼に「思い出のアルバム」という歌を送った。
「一年中を思い出してご覧。あんなこと、こんなことあったでしょう。桃のお花もきれいに咲いて、もうすぐみんなは一年生」と歌うこの歌は、私の大好きな歌だ。この歌を聞くと、私自身が子育てをしていた頃、こどもがここまで育ったという感慨を持って卒園式を迎えたことを思い出して、胸が締め付けられるような思いがする。私が企画・制作して地元のラジオ局から放送している音楽番組でも、何度もこの歌を放送した。
私が子育てをしていた頃から、もう30年以上が過ぎたのだ。そして、今は私のこどもが父親になって30年前の私と同じ経験をしている。そう思うと、ひとしおの感慨を覚えるのである。30年という年月が確かに過ぎたのだという思いと、成長した孫がもう卒園するということに30年前と同じ感動を覚えているのだ。それらふたつの思いが私の中で矛盾なく同居している。
30年前、私は仕事があってこどもの卒園式に出られなかったが、私の妻は卒園式に出てそこで「思い出のアルバム」の曲がかかっていたのを覚えているという。この曲に歌われているように、私の孫もやがて1年生になる。これから広い、大きな世界へ船出するのだ。
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