きせつだより
私は春夏秋冬、すべての季節が好きで、それぞれの季節に道ばたに咲いている草花を見ると心が和む。私をこんなふうに育ててくれたのは小学校の先生だ。1,2年生の頃の担任の先生は私たちに「きせつだより」という自由帳を持たせて、花でも虫でもその季節で初めて目にしたものをスケッチして先生に提出するように指導してくれた。そのノートを毎日提出させて、○をつけ、簡単な感想も添えて返してくれる。それがうれしくて、私は時間があれば外に出て新しい花や虫を探したものだ。
こうして自然好きになった私をさらに育ててくれたのは、3,4年生の頃の先生だった。当時、自然好きになっていた私はしょっちゅう野原に出て珍しい花やきれいな花をスケッチしたり、それをとってきて押し花にしたりしていた。それが大量にたまっていたのだが、私はその花の名前が分からなくて困っていたのだった。それを知った先生はわざわざ4キロほど離れた本校に行って保育社の植物図鑑を借りてきてくれた。私が通っていたのは分校で、まともな図鑑もなかったからである。
私の自然好きはその後も変わらなかった。今から思えば、友だちづきあいが苦手だった私がそうすることで友だち関係から逃げていたのかもしれないが、ともかく自然の中にいる時間が至福の時間だった。私の住んでいた田舎では、春になると緑色の麦畑、黄色の菜の花畑、赤紫色のレンゲ畑がモザイク状に広がってため息をつくほど美しかった。ある日、中学校からの帰り道、私は自転車を止めてそんな風景に浸っていた。そしてつい「なんてきれいなんだ、私はなんて幸せなんだ。」と声に出して言ってしまったことがあった。そしてキザなセリフに顔を赤らめたものだが、幸い周りには誰もいなかった。
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