にわとりの殺処分
長年物価の優等生と言われてきた玉子が、最近、すごく値上がりしている。実際、私がよく行くスーパーで以前は玉子10入りの1パックが百円そこそこで売られていたのに、2,3ヵ月前には百五十円ほどになり、今日行ってみたら百九十五円の値段が付いていた。玉子の高値の原因はいろいろあるようだが、そのひとつに鳥インフルエンザの流行があるらしい。このシーズンはすでに千五百万羽の鶏が殺処分されたという。
この数を聞いて私は暗澹たる気分になった。どうしても、殺されていく千五百万羽のニワトリの姿を思い浮かべてしまうからだ。たとえば、ワクチンを打って鳥インフルエンザを防げないものかと思ったりもするが、その手間は大変だろうし、ワクチンを売った鳥の卵が安全かどうかという問題もあろう。それに、これらの鳥たちは仮に今は生き延びたとしても、いずれ殺されてしまう運命にあるのだ。狂牛病の怖れのある牛は殺処分されたが、殺処分されなかったとしてもいずれ食肉にされる運命にあった牛たちだ。豚にしても同様である。
こうして考えてみると、家畜を飼ってそれを食べてしまう人間の罪深さというものを感じる。それこそが原罪というものだろう。アダムとイブがどうしたこうしたなどということは原罪ではない。それはむしろ生物としての人間の誇らしさだ。私はキリスト教のヒューマニズムに感動するが、同時にこのような原罪を罪と考えない独善性を嫌悪する。それに比べれば、すべての殺生を禁じる仏教の方がずっと好ましく感じる。
最近、バイオテクノロジーを利用して人工的にタンパク質を合成することが考えられているという。1日も早くそれが実用化される日が来て欲しいと願っている。
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