俗物国家
日本には本当の意味での政治家がいなくなりつつあるのではないかと思う。本当の政治家というのは日本や世界のあるべき姿についての自分なりの信念を持って政治に携わる政治家ということだ。私は一人一人の政治家を評価するほどの情報を持っているわけではないが、国会でも地方議会でも二世議員が増えていることからしても、政治家の主要な関心事は日本や世界のことではなく、自分の利害得失になっているのは確かだと思う。
それを劇的にさらけ出したのが、昨年の統一教会問題である。鈴木エイト氏の著書によれば、統一教会と関係を持っている現職国会議員は168人に及ぶという。自民党に限れば、衆議院議員276人中103人が、参議院議員119人中29人に及ぶ。それも単なる友好関係などではなかった。実際、独力では当選がおぼつかなかった某参議院議員は安倍元首相の口利きで統一教会から8万票(彼の総得票数14万票の過半数)を回してもらって、当選したというのである。
ところで、統一教会によれば、エヴァ国である日本の国民は過去の侵略戦争の贖罪をもこめて統一教会に献金しなければならないのだという。こんな教義が自民党を支える日本会議や神道政治連盟の考え方と両立するはずはなかった。ところが、安倍元首相をはじめとして多くの自民党議員はその両方と関係を持っていたのだ。
その裏には議員達の不勉強もあっただろう。それ自体が議員としての資格を疑わせることだが、それよりも、政治思想などは二の次で、ともかく議員という自分の立場を維持し、議員としての権力を振るっていたいというのが本音の俗物だったということだろう。そして、そういう議員を選んだのは、これも俗物の有権者なのだ。
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